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Channel: 食パン –ロケットニュース24
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【正直レビュー】巷で話題のトーストスチーマーは本当にパンが美味しくなるのか!? 何度目かの挑戦で「効果を発揮する条件」を見つけた

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遅ればせながら、最近「トーストスチーマー」という大ヒット商品を知った。内部に水分を保てる陶磁器で、トースターに入れるだけで食パンを「外はサクッ、中はふわっと美味しく焼き上げる」アイディアグッズだという。

コメダのモーニングってなんで家と違ってあんなに美味しいんだろうと常々思っていた筆者としては、毎日の食パンがランクアップするなんて願ってもない商品だ。さっそく検証してみたのだが、思っていたのと全く違う展開になってしまった。というのも、最初の検証では「効果がわからなかった」のだ。何度かやってみて「お、これは変化あり!」と感じるまでの道のりをご報告したい。

・マーナ製「トーストスチーマー」(税込1188円)

見た目は素焼きの山型食パンで、カラーもパンそのもの、大変に可愛らしい。キッチンにポンと置いておいても違和感なく、「見せる収納」にもぴったり。おしゃれなインテリア小物のようだ。

手ざわりすべすべ、内部は空洞になっている。

・検証開始

ではさっそく検証開始。準備は超簡単で、20秒間ほど水に浸すだけ。内部の空洞部分に空気が入ってしまうともったいないので、横にしたり回転させると良いと思う。余談だが水にぬれるとさらにパンっぽい色になり、美味しそう……。

パンと一緒に入れて焼く。使用したのはおなじみPascoの「超熟」6枚切りで、機材はオーブンレンジのトースター機能だ。スチーマー自体の大きさがあるので、これまでは2枚同時に焼いていたのが1枚になる。

焼き上がったものを食べ比べてみたのだが……

実は……正直にいうと……

違いが……わからなかった……

見た目はもちろん、カリカリ具合もふっくら具合も、両者にそれとわかる差異はなかったように思う。少なくとも「わぁ、全然違う!」とはならなかった。目隠しをされて両者を出されたら、きっと筆者は区別がつかないだろう。

パッケージの解説文を見ると、焼いたパンの重量変化率が使用前89.9% → 使用後91.5%と変化し「水分が保たれてふっくら」なのだそうだ。その1.6%……1.6%が筆者の舌には感知できなかった! 確かに筆者はいつもと違う銘柄の牛乳が出されても全く気づかず飲むバカ舌だ……。

大手オンラインショップのレビュー欄を見ると全体的には高評価で、満点をつけている人も多い。しかし一方で「違いがわからない」「期待したほどではない」と書いている人も一定数いる。中には一緒に使った家族や友人など親しい人のあいだでも評価が分かれた、という口コミも目にした。

結論「味覚には個人差がある」

……と言ってしまえばそれまでで、この検証も終了なのだが、多くの人が「(使う前と)全然違う」「感動した」「毎日使っています」と書いていることもまた事実なのである。きっと「あ、美味しい!」となる瞬間があるはずだ。この違いはなんなのだろうか。何か条件があるのではないか……?

・条件を変えて再検証

後日、パンの種類を変えて再挑戦してみることにした。今度は厚みのあるセブンの「もっちり食感 金の食パン 厚切り」で、我が家的には高級パンである。何もしなくても美味しいやつ。

改めてスチーマーを水に浸すと、シュ〜と音を立てて細かい気泡が出ていることに気づいた。前回の検証では見なかったと思う。スチーマーも、何度か使って馴染ませることが必要かもしれない。

では実食。スチーマー未使用のものも、トーストしたてなので普通に旨い。

次にスチーマーを使ったもの。

お?

おお?

使用前よりもよく伸びるというか、ちぎりにくいというか、餅のような弾力がある。

むむむ! 美味い! もっちりしている!

気づいたのだが、時間が経つと両者の差がなくなってくる。トーストした直後が、もっとも違いが感じられた。せっかくスチーマーで保たれた水分も、時間とともにどんどん抜けていくためだと思われる。しばらく置いてから食べたパンは、やはり「目隠しされたら違いがわからない」というレベルになった。

ここで、いくつかの仮説にたどり着いた。実は初回は購入したパンをその日のうちに食べたが、今回は開封後2日ほど経ってからの検証だった。自然乾燥してだいぶパサパサしていたところ、スチーマーの効果が発揮されたのではないか。つまりパンが新鮮で、元から十分な水分がある状態では、効果が感じられないのではないか。

また、6枚切りや8枚切りの薄いパンは元々あまり「もっちり層」がなく、カリカリ食感で食べるものだろうから、あまり効果が感じられないのかもしれない。あとはスチーマーが馴染んだ説もあるな。

・最終検証

仮説を確かめるため、パサパサパンの代表格、冷凍した食パンで検証してみる。前回と同じく「金の食パン」を冷凍し、3日目に検証。

まずはスチーマー未使用のものだが、当然のことながら買いたてに比べると食感は落ちる。カリカリといえば聞こえはいいが、ガサガサして口の中の水分が持っていかれる感じ。正直、飲み物がないと食べにくい。

続いてスチーマーを使用したもの。見た目は両者に違いはない。

ちぎってみると、冷凍前には劣るが、やはりよく伸びる感じがある。

そして、確かにしっとりしている! パン表面がガリガリしすぎて割れることもない。

中間層ももちもち感があり、かじったところがポロポロせずにフワッとくっつく感じがある。うん、これなら「スチーマーを使った方が美味しい」と言えそう!

両者を並べると、乾燥してガサガサに固くなった肌と、キメの細かい弾力のある肌のような?

ただ、時間が経つとあまり違いがわからなくなるのは前回と同様。こうしている今も水分が抜けていくのだろう。熱いうち、出来立てのうちに食べよう。

・筆者の結論

トーストスチーマーが効果を発揮するのはたぶんこんなとき。開封したパンを何日かに渡って食べる場合や、解凍して食べる場合! かつ「もっちり層」のある厚手のパンの方が良さそうだ。そういった食べ方の多い人にはよい商品だと思う。何度か使って馴染ませることも大事かもしれない。

優秀ポイントは、やはり準備や後片付けに手間がかからず「毎日簡単に使える」という点。とにかく水に浸して入れるだけだから、やってみて損はない。類似商品ではパンの間に挟めるような細型の商品もあるようだが、マーナ製のものは北欧雑貨のようなデザインの可愛らしさも秀逸だ。

逆に買ったばかりのパンで元から十分に水分がある場合や、水分を保つ層がない薄いパンの場合は筆者はあまり効果を実感できなかった。この検証にあるように、かなり条件を「寄せて」いかないとならず本末転倒に。ただし、検証に使ったのはオーブンレンジなので、トースターだとまた違う結果かもしれない。

小さなことだが、庫内のサイズによっては、これまで2枚同時に焼けていたのが1枚になること、使用後はスチーマーが火傷するほど熱くなるので水に浸せず連続使用ができないこと、という注意点もある。

それにしてもコメダのモーニングの美味しさは異常だ。食パン、バター、ゆで卵、どれも普通に家にあるものなのに、決して再現できない。「無料サービス」というお得感が認知バイアスを生み出している可能性も否定できないが、美味しい食パンを求める筆者の旅はこれからも続く……。

参考リンク:マーナオンラインショップ
Report:冨樫さや
Photo:RocketNews24.


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